DD-Kの雑記

元バンドマン/元派遣コーディネーター/元コールセンターSV/元天然パーマとか元コンビニ店員とか諸々。たかが30代前半ですが、なんか色々あったんで体験談書き殴ります。

生きているだけで迷惑かもしれない

 

 

 

『人の役に立ちたいんです。』

 

 

 

 

 

 

そう言っている人ほど安易に信用することができない。

 

 

 

 

 

こんにちは。

元派遣コーディネーターのDD.K(ディディケー)です。

 

 

 

派遣社員ってクズなの? - DD-Kの雑記の続編的になるのだが、

今回は前回と違って、クズとカテゴリーされる側の派遣社員の話です。

 

 

これから派遣コーディネーターになろうと思って、奇跡的に読んでくれている方がいたら、

『こういうクズな人もいるのか』と参考程度に読んでもらえれば幸いだ。

 

 

 

◾️Uさんの場合

Uさんは介護施設での介護職を紹介希望といった内容で登録に訪れた30代半ばの女性。

バツイチで子持ち(1名)、登録時は無職だった記憶がある。

ちなみに派遣社員ってクズなの? - DD-Kの雑記で書き殴った、

Oさんのように、1から僕自身で対応したケースとは違って、

退職する先輩から引き継いだスタッフさんであり、

初回対応から仕事提案、現場との顔合わせ日セッティングまでを先輩が対応して

僕へパスという流れだった。

 

平日のみ週5日勤務希望/8時〜18時の間で7〜8時間程度のフルタイム勤務希望/病院にて介護経験1ヶ月程度

主な就業条件は↑といったところだ。

【介護経験1ヶ月程度】という点で引っかかるところはあったが、

『両親の介護対応が必要になったため』という理由で退職したらしいので、

『仕方ないことだったのか』と納得した覚えがある。

それ以外の条件としても曜日や時間の指定が多く、

『あまり融通が効かないな〜』くらいの印象だったので

取り立てて期待もせず、現場との顔合わせ同行へと向かった。

 

 

Uさんに実際に会った印象としては『しっかりした人なのかな〜?』といったところ。

サイズの合ったスーツを着用して、年相応に化粧もして、清潔感も感じられた。

 

 

 

あくまでもここまでは。

 

 

 

僕は現場顔合わせの際は、30分前に現地でスタッフさんと落ち合う。

だいたい10分で必要書面の記載や、会社の規定なんかの説明を済ませ、

後の10分は先方との面談の打ち合わせに当てていた。

そして10分前に先方を尋ねるというタイム感だ。

 

 

Uさんに関しても必要書面の記載までは先に書いた『しっかりした人なのかな〜?』というところだったのだが、

面談の打ち合わせを始めた途端『この人は、、、大丈夫なのか?』といった印象に変わった。

会話していてもどことなく目の焦点が合っていないのだが、

これはなんらか身体的な事情が絡んでいる可能性もあるので致し方ないとして。

会話が続かない点が引っ掛かった。

 

僕:『今日寒いですね〜、通勤はバスになると聞いてたんですが、実際に今日来てみて結構時間掛かりましたか?』

 

Uさん:『はい』

 

 

 

 

 

お、おう。。。。

 

 

 

 

 

てっきり

『そうですね。〜分くらい掛かったのですが乗り換えがないのでなんとかなりそうです』とか、

『ちょっと、、正直なところ遠いから心配なんですよね。。。』等。

そんな当たり障りない返しを期待したのだったが、

 

『はい』に全てを込めてきたか、、、と比較的気が遠くなった覚えがある。

 

 

 

 

僕:『ここの施設長は資格経験よりも人柄重視と言うのでしょうか、熱意優先の方なのですが、

介護職の希望理由を聞かれたらなんて答える理由でしたかね?』

 

Uさん:『人の役に立ちたいんです』

 

 

 

 

極め付けの一言がこれだ。

 

 

結果的に先方との顔合わせ時にもやはり同じ質問をされることとなったのだが、

回答も本当に同様であり、なんならそれ以外は『はい』しか言っていなかった。

 

一夜漬けにもならない、10分漬けでなにか吹き込んで変なことを言われてもそのほうが困るので、

フォローする僕からすると逆にそうさせた感もあるが。。

でも、それでもなんとか無事に入職を決めることができた。

 

 

僕がうまくやった点はたかが知れているし、無論のことUさんはなにもやっていない。

魅力なんてハッキリ言ってなにもなかったと思うし、なんなら断られて当然な取引。

 

 

結局なところは対応してくれた施設長の寛大な人柄に助けられただけの話だ。

 

 

資格を取って介護の仕事を将来的にも続けていきたいか?と聞いた際に、

『はい』と答えたUさんのことを考慮し、

派遣社員としてではなく、施設の直接雇用パートとして雇入れ、

資金面含めてサポートをしてくれると非常に優しく寄り添ってくれたのだ。

また、『はい』しか言えないUさんの人間性についても

『極度に緊張していたのかもしれない、緊張してくていたのなら真剣に考えてくれているはず』と、

もうはっきり言って神レベルの懐のデカさを見せてくれたのであった。

 

 

派遣先は決められた時間単価を働いた時間数分だけ派遣会社へ支払い、

そして派遣会社は受け取った金額から必要分を差し引きスタッフへ給与を支払う。

これがザックリと基本的な派遣雇用時のお金事情になる。

 

ただ、直接雇用で雇入れするとなればそれは異なり、

派遣会社へ紹介料を払って労働者と雇用契約を結ぶ、

『人材紹介』と言われることが多い取引になる。

 

表現としては語弊があるかもしれないが、

『どこの何かもわからない人をそこそこの大金で買う』というニュアンスで想像してくれるとわかりやすいかもしれない。

言うまでもなく、紹介されたスタッフがどんな働きをするかも確認していないため、

リスクが大きく拒まれることも多い取引である。

 

 

無論のこと、Uさんとしては断る理由は何もなかったらしく、人材紹介の方向で話は進み、

施設側は派遣会社へ決して安くはない紹介料を支払い、

Uさんと雇用契約を結び初日出勤日を設定して一件落着。。。。

 

 

とはならなかったのだ。

 

 

初日出勤を終えて、翌日の午前中。Uさんから会社に連絡が入った。

言うまでもなく『辞めたいです』の連絡である。

雇用契約を結んでいない派遣会社側としては既に参入できるラインではないため、

施設側へ相談するように伝えるものの返ってくる言葉は。

 

 

『あの施設は私に合わないんです』

『本当は介護の仕事はしたくなかった』

『もう次の面接を受けて就業開始日も決まっている』

『どうしても続けろと言うなら別の施設を紹介してほしい』

 

 

全く話にならなく、時間が勿体無いと判断したため、

一旦Uさんを適当にあしらって直接施設長へコンタクトを試みることにした。

 

すると施設長はその日のうちにUさんと面談をしてくれて、

『色々不安はあると思うけど、サポートするから仕切り直しで一緒に明日から頑張ろう』と、

そんな優しい言葉まで掛けてくれたと言うのだ。

しかし、Uさんは聞く耳を持たず退職意思は当然取り下げず、結局は退職受理となった。

 

 

 

 

次こそ一件落着、、、、

 

 

 

 

 

なりません。

 

 

 

 

退職騒動の翌日の午前中。

また、Uさんから会社に連絡入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やっぱり仕事を続けたいです。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

!!!!!?????

 

 

 

もう訳がわかりませんでした。

 

仕事開始→退職の申出からの退職受理(翌日)→退職の取り下げ希望(翌々日)

 

もうお手上げっていうか混乱です。

 

※その際のやり取り↓

僕『どう言うことなんですか?』

 

Uさん『やっぱりあの施設で仕事を続けたいんです。』

 

僕『決まったと言っていた新しい仕事はどうするんですか?』

 

U『。。。。。はい』

 

僕『いや、もう決まったって言ってた仕事はどうするんですか?』

 

 

 

 

 

 

U『人の役に立ちたいんです。』

 

 

 

 

 

なにも悪びれずに淡々と喋るUさんに半ば恐怖すら感じつつ、

『こちらでも対応方針を考えるから待っていてください。』と伝え、

一旦電話を置き上司である支店長に相談することにした。

 

支店長の意見はこうだった。

 

『このまま退職で話を着地させると、施設側から紹介料の返金申出がくるかもしれない。

苦肉の策ではあるが復帰できるよう施設側へ取り次ぐ』

 

負に落ちないところではあったが、納得せざるを得ないことも事実と受け止め、

僕は施設長へUさんの復帰の旨を取り次ぐこととした。

結果としては呆気なく、二つ返事を貰い、翌日からUさんは復帰をすることができた。

 

 

 

 

 

 

ただ、半年後。

Uさんは度重なる欠勤や勤務態度不良で、施設の職員を始め、施設長からも見捨てられてしまったらしい。

クビになるという1週間前に『仕事を紹介してほしい』と僕宛で会社に連絡が入り、

クビになった翌日からは狂った電話もくるようになった。

 

 

 

○クビになった翌日

Uさん『そちらに登録しているUというもので、

仕事を紹介してもらいたいんですけど、

平日のみの週5勤務で、9時〜18時で働きたいです。

人の役に立ちたくて介護士になりたいです。』

僕『わかりました。条件にあったお仕事が見つかったら連絡しますね。』

 

 

 

○↑の翌日

Uさん『あの、私。そちらに登録しているUです。

仕事を紹介してもらいたいんですけど、

平日のみの週5で、9時〜18時で働きたいです。

人の役に立ちたくて介護士になりたいです。』

僕『わかりました。まだ条件にあったお仕事が見つかってないので、

見つかった場合に連絡しますね。』

 

 

 

○↑の10分後

Uさん『そちらに登録している、〜に住んでいるUというもので、

仕事を紹介してもらいたいんですけど、人の役に立ちたいです。』

僕『Uさん、あの、さっきも連絡いただきましたけど、、

Uさん『え?そうでしたっけ、、、人の役に立ちたいです』

僕『何かあったら連絡しますんで、、、それでは。』

 

 

 

○↑の1時間後

Uさん『そちらに登録している、Uというものです。

私、人の役に立ちたいです。』

僕『あの、Uさん、これってどういうことなんですか、、?

   さっきの電話のこと覚えてないんですかね?』

Uさん『人の役に立ちたいです。』

僕『、、、、お仕事紹介はできませんね。』

Uさん『平日のみ週5で9時〜18時で働きたいです。

   人の役に立ちたくて介護士になりたいです。』

僕『Uさん。他の登録者さんのお電話の妨げになるので、

   ご遠慮いただけますか。』

Uさん『人の役に立ちたいです。』

僕『あんなに優しくしてくた施設長のことを裏切って、

   人の役に立つどころか迷惑しかかけてないじゃないですか。』

 

Uさん『、、、、、、、、、ガチャ』

 

 

 

 

それ以降、Uさんから会社に電話が入ることはなかった

複数の派遣会社に登録していて、電話番号を勘違いして連続で電話を掛けてしまうケースは決して珍しくないのだが。

Uさんの様子からその雰囲気は感じられなかった。

 

完全に『関わってはいけない』というオーラが電話越しからも伝わってきて、

僕の電話をモニタリングしていた支店長も当然Uさんへの『仕事紹介NG』を出した。

 

 

果たしてUさんは少しでも『人の役に立つ』ことはできたのだろうか。

色々な人を混乱させて、派遣会社に携わる就業者のイメージを下げて、

なんなら派遣会社自体のイメージも下げたことだと思う。

 

僕は思う。

このUさんに限っては、がんばっている派遣社員や、派遣会社のイメージを下げたわけなので、

『人の役に立つ』どころか『生きているだけで迷惑』な人だと。