DD-Kの雑記

元バンドマン/元派遣コーディネーター/元コールセンターSV/元天然パーマとか元コンビニ店員とか諸々。たかが30代前半ですが、なんか色々あったんで体験談書き殴ります。

派遣社員ってクズなの?

僕はつい数週間前まで派遣コーディネーターとして派遣社員を派遣する側だったが、
その前はコールセンターの責任者として派遣社員を受け入れる側であった。

送り出す側、受け入れる側どちらの立場であってもよく耳にして印象に残っているのは。


『本当、派遣社員ってクズだよね。』



どうも。
酒を飲んだら飲まれます。
DD.K(ディディーケー)です。



改めてGoogle派遣社員とググっても、
yahoo知恵袋で派遣社員と調べてみても、
確かに似たワードは多く見られる。




そもそも『クズな人』ってなんだ。





改めてちゃんと『クズな人』を調べたが、
確かに派遣社員ってクズな人が多いわ。



誓って言うが、
僕は『派遣社員=クズな人』と思ったことは一度もない。
しかし派遣社員=クズな人が多い』とはやはり思う。



今回はクズな人と言われる部類の派遣社員ディスる気もないし、
誤解している人達へ喧嘩を売るつもりも全くない。
ただ、『派遣社員=クズな人』 という誤解が少しでも解ければという思いで書き殴っていきたいと思う。



◾️Oさん(50代女性)の場合

コールセンターの責任書から、
メディカル関係(介護・看護)の案件を扱う派遣会社のコーディネーターへ転職後の初夏。
入社初日に飛ばれたり(ようするに仕事初日に無断欠勤して以後連絡が取れなくなるケース)、
前回の記事で紹介したような『ちゃんとしていない人』の対応が何十回か重なって、
酸いも甘いも知った頃だから余計にOさんの記憶が色濃く残っているのかもしれない。


Oさんの仕事条件を受け取った最初の印象としては、
『下の中という感じか』が正直なところ。


Wワーク希望(週3回4時間程度のアパレル職と並行)/介護資格なし・業界未経験/朝9時から13時までの時短勤務希望/車で30分以内の現場希望


そもそもクライアントが派遣社員を受け入れる際の目的としては、
『人手不足の現場への戦力』『直接雇用するまでの様子見』の2択あたりが大半。
っていうか『人手不足の現場への戦力』は最重要ポイントだろう。
残念ながら上記データで仕事紹介を希望してきたOさんは全く魅力的ではなかったのだ。
なんならほとんど期待しないで初手対応の電話をした。
(僕の働いていた派遣会社は、Web応募→電話対応が最初の主な流れになります。)


じゃあなぜOさんが僕の心に刺さったのかと言うと、
早い話で人柄が素晴らしかったのだ。


『ありがとうございます』
『宜しくお願いします』
『申し訳ございません』



この3ワードをとても謙虚な姿勢で言える人だったのだ。
『えww当たり前の話なんじゃないの?ww』って声も聞こえそうなんだけど、
ぶっちゃけ言うとこれを言える派遣社員少ないだろう。


第一段階をクリアしたことでOさんに興味が湧き、次に僕が質問したのは応募動機。
『個人的に健康食品について勉強していて、介護現場での食事事情やメニューに紐づく結果が気になった。』
『年齢的に親を介護する側になる可能性もあるため、実際の現場で仕事してみたい。』

志望動機としては正直当たり障りなく無難ではある。
ただ、ごくごく理に叶った理由が言えたことと、
質問したことに答えるコミュニケーション能力を知れたので、
僕は実際にOさんへ仕事を紹介してみることにした。


紹介したのはOさんの自宅から車で30分程度の場所にあるグループホームだ。
食材を切って煮て味を付けてという調理作業があるスタイルであったグループホームなので、
志望動機にリンクするところはあったし、
1ユニット9名定員をというグループホームならではの小規模感はベテラン介護士からもスタートとしては丁度いいという意見もよく聞いていたからだ。
尚且つ、付き合いもあって少し無茶な融通も効いてくれる窓口担当者がいたのも大きな要因だった。


案の定Oさんへも提案は良い感じに響いていたので、
『すぐにでも紹介してくれ!』と即答を期待した。
しかし、返ってきたのは『一旦考えて、1時間後にまた電話していいですか?』という慎重な返事。
もしかするとと思って理由を聞いたら予想は的中していた。



『気持ちとしてはすぐにでも立候補したいです。
でも、人の命に関わる仕事が自分に務まるか改めて考えたくて。
御得意先のクライアント様であるなら、尚のこと即答はできないです。
大変申し訳ございません。少し時間をください。』


僕は喜んでOさんを信じて待つことにした。
なんなら急いでクライアントへコンタクトを取って、
Oさんのイレギュラー対応(本来Oさんが就業希望している時間帯の依頼は受けていなかったので)を 交渉してなんとか『一度会ってみましょうか』という誘いを貰い万全の準備を整えて待っていた。


そして決意の固まったOさんから再連絡が入り、無事にクライアントとの面談日が確定した。


僕の働いていた会社では鉄則で設けていたのだが、
派遣会社では職場見学というシステムを設けることがある。
簡単に職歴や就業条件を記載したエントリーシートをクライアントへFAXして、
書類選考を通過することができれば職場見学へ行くことができる。
担当者と話をして、実際にどんな仕事をするのか現場を見るという内容なので、
早い話が面接のようなものと考えてもらえればわかりやすいだろう。
面接との相違点としては履歴書が不要なことと、
派遣コーディネーターが同伴することくらいだろうか。
当たり前の話であるが前回書いた記事内の『ちゃんとしていない人』はこのエントリーシートすらも作られず存在が風化されていくと思っていただければと思う。


そんなこんなで職場見学へ行くこととなったOさん。
『派遣会社さんとクラインアントさんが看板を背負うので、失礼のないように努めたい』
『他の派遣社員さんの足を引っ張るようなことはできないので、迷惑を掛けないようにがんばりたい』

そんな意気込みも聞けた、終始素敵な人柄が見えるとても良い職場見学だった。


言うまでもなくクライアントは二つ返事で、
数日後からOさんはそのグループホームへ入職し
それどころか数ヶ月後にはWワーク先を退職して介護職1本に絞って、
フルタイムシフトへ変更して一生懸命働いてくれた。
『2足の草鞋を履くなんて、どちらへも中途半端で失礼です。』という思いで、
後任者を育成して退職したと聞いたときはもはや流石の一言だった。


きっとこの先の人生で僕がOさんと関わることはないだろう。
でも、僕はOさんっていう素晴らしい人がいたことを忘れたくないな。
担当じゃなくなったって、2度と会えなくとも、
Oさんに幸あれとずっと願っていたいと心から思います。

そして、一部の心無い派遣社員のせいで、
派遣社員=クズ』と誤解してしまっている方達の1人でも多くが、
この記事を読んだことで、
派遣社員にだって素晴らしい人はいる』とマインドシフトしてくれることを願いたい。


派遣社員はクズじゃない!